78。風俗の講習
布団しか敷かれていないワンルームマンションで待っていると、
さっきの小太りの人とは違う人が入って来た・・・・。
「講習を担当する○○と申します。よろしくね。」
私は、今から何をするのかもよく分からなかったので
「よろしくお願いします。」
と、とりあえず言った。
「え~っと、この仕事、経験ないんだよね?」
「はい。」
「じゃぁ、シャワー浴びてきてもらえるかな?今からお客さんにする事を覚えてもらうからね。」
ふと我に返り、
「あの、今、生理なんですけど・・・。」
「ええっ?生理なの?ちょっと待ってね。」
と、講習の担当の人は、こかに電話し、
「あの~、生理らしいわ、海綿とハサミ持って来てくれる?」
と訳の分からない事を伝えていた。
「でもいい機会だわ。生理中でも仕事してもらうから、その仕事の仕方も教えれるしね・・・。」
生理でも・・・。もう私は何もあんまり疑問すら持たないほど、初めてのことばかりで思考能力が
なくなって来てる様だ。
何分か経って他の人が何かを持って来て講習担当の人に渡し、すぐに帰った。
そして、
「これはね、海綿っていうんやけど、生理の時につかうねん。
スポンジみたいになってるから、
中に入れると、生理の血を吸って表には出てこないから、お客さんには生理中って事、
バレにくいねんなっ。」
と、今度はハサミで海綿とやらを、慣れた手つきで切り出した。
「このまんまだと、大きすぎて入らないから
最初にこうやって丸く切ってね。
これはね、海から取れる物だからたまに貝殻とかが付いてる時があって、
そのまんまだと中に傷がいったら大変だから
それを確かめて、
イソジンで消毒した後、よぉく絞ってから、中に入れないと駄目やからね。
じゃあ、シャワー行って、入れてきて。」
と、その海綿とやらを渡され、ユニットバスのお風呂に行き生理の血まみれになりながら、
必死で海綿を詰め込んだ。血まみれになった床をシャワーで流し、
「あの~シャワー終わりました・・・。」
「じゃ、僕も行ってくるから待っててね。」
はぁ・・・・「海綿」を入れるだけで貧血になりそうだった。
自分で自分の中に指を入れたこともあまり経験が無いから、
内臓触ってるようで気色悪いし・・・。
77。ヘルスじゃないけど・・・。
迷ってる間を与えず
「いつから働ける?」
「今、生理なんですけど・・・。」
「あ~、生理でも大丈夫!」
「そうなんですか・・・じゃぁ明日から・・・。」
もう、いいや、ヘルスじゃなくても・・・。また他の店探して面接するの怖いし・・・。
間が空くと嫌になりそうだったので、すぐに働く事にした。
「じゃぁ、働いてもらう前に講習するからね、今日は時間ある?」
「はい、ありますけど・・・。」
「ここじゃなくて、違う場所で講習するから、行こうか。」
講習って何だ?
小太りのスーツの人と少し歩いて、ワンルームマンションの中に入った。
「それじゃ、他の者がくるからそれまで待っててね。」
いまなら、まだ逃げれる?
根っからの正直者で小心者の私にはそんなこと出来なかった。
これから始まる凄い事なんて想像もつかなかった・・・。
76。ヘルスだと・・・
何だか違う。
電車のように、シート状のイスが同じ方向を向いて並んでいる。
そのイスとの間にはレースのカーテンで間仕切り・・・。
間違えた・・・。
ここは、ヘルスじゃなくてシャワーの無いピンサロっていう所じゃないのか・・・?
求人誌の業種のところには「ファッションクラブ」と書いてあったけど?
ん?ファッションクラブと、ファッションヘルス?
なんて、考えてたら、
「刺青とか、傷跡とかあったら駄目やからねぇ~、ちょっと見せてもらうねぇ~服脱いでくれる?」
「え?服、脱ぐんですか?どこまで脱いだらいいんですか?」
「ブラジャーは外して、下はいいから。」
私はパンツ一丁になった。
独りでパンイチは間抜けだ。
「じゃぁ、1周まわってみて」
おちょくられてんのか? と思いながら、1周まわった。
面接用紙に私の体を見て何か書き込んだようだ。
なんて書いたの?
気になる・・・。
勢いに任せて服も脱いだけど、何の店か、はっきり判ってもないのに、いいのか?
「やっぱやめます。」って、逃げなくていいのか?
だからイカないんだってば!!
いつものようにお客様をお迎えして・・・。
「僕、攻めるのが好きだからなぁんにもしなくていいよ。」
と言われた。
来たか・・・。 苦手なんだよねぇ~。この手のお客。
まだ上手なら演技も出来る・・・。
女の体知らずにAVで見た潮吹きをどうにかやってみたい人。力加減が出来ず、痛いの堪えるの辛いんよねぇ。潮なんか吹く前に血ぃでるわ!!
「あ~濡れてきたよぉ~」
って、全てあんたの唾です・・・。
今日のお客はやたらクリを捲って吸うんだな。
これ、ある程度気持ちよくなってからされないと、こそばゆいだけで・・・。
もう私にとってはこれも拷問みたいなもんで、足がしびれてる時に足を触られた時の様な感覚。
ヨダレ垂れそうな位、力が抜ける。
それって気持ち良いんじゃないか?
う~ん、気持ち良いような・・・いや、気持ち良い通り越してこそばゆいんです。
イッた振りして終わらせようかな・・・。
う~ん、でもタイミングが・・・。
やっと、終わった・・・。
と思ったら、
「君、我慢強いね、よく我慢した。」
「普通の子ならもう4回位はイッてるよ。」
はぁ・・・。我慢か・・・。ある意味我慢だけど、イケるもんなら4回もイってみたいわ!!
でも同じくらい疲れた。
75。ヘルスの面接へ・・・
と、思っていたのだけど、どうやら違ったようだ・・・。
彼には面接に行くと言えず、
「風俗の面接に行ってきます。」
と置手紙をして、家を出た・・・。
電車に乗っていたら、風俗求人誌に載っていた女の子が目の前に居た。
「あ、この人!」
結構、普通に働いてるんだ・・・。
でもワクワクしてる時の行き先の到着までの時間は、長~く感じるものだけど、
嫌だと思ってると早い・・・。
昨日電話した最寄の駅に着いたので、再度店に電話した。
近くの喫茶店へ行くように指示されたので待っていた。
いつもなら、アイスコーヒーを注文するくせに、かわいこぶって?「オレンジジュース」を頼んだ。
それを、チューチュー飲んでいると、
小太りでスーツを着た男性が入ってきた。
目が合った。
「面接の子?」
と聞かれ、
「はい。」
と、頷くと、
「じゃぁ、お店のほういっぺん行ってみよか?」
と、言われるまま付いて行った。
「ここはねぇ~、2号店でまだオープン前なんやけどね・・・。働いてもらう予定の店は今営業中やからね。」
何だか私が思ってたお店の感じと違う・・・。
来る所、間違えたかもしれない・・・。